小松菜は日本の食卓に欠かせない緑黄色野菜の一つで、ほうれん草と似た見た目から「アク抜きは必要?」と迷う方も多いのではないでしょうか。一般的に「アク」とは、野菜に含まれる渋みや苦味、えぐみなどのことを指し、成分によっては食べる際に不快感を与えたり、健康面で避けたほうがよい場合があります。
ほうれん草の場合、シュウ酸を多く含むため、アク抜きが推奨されています。シュウ酸は体内のカルシウムと結合しやすく、過剰に摂取すると尿管結石を引き起こすリスクがあるからです。一方で、小松菜のシュウ酸含有量は非常に少なく、ほうれん草(約980mg/100g)に対して小松菜は約29mg/100gと、ほとんど気にしなくてよいレベルです。
このため、小松菜はほうれん草ほどアク抜きの必要性はなく、栄養素を損なわないためにはむしろアク抜きをせずに調理することが推奨される場合もあります。
小松菜のアク抜きは必要?用途に応じたポイント解説
基本的にはアク抜き不要と説明しましたが、実際の調理でアク抜きをしたほうが良いケースもあります。
季節や品種によるえぐみの感じ方
小松菜は季節や品種によって若干の味の違いが出ることがあります。春から夏にかけてはえぐみや苦味が出やすく、その場合は軽く下茹でしたり水にさらしたりしてアク抜きを行うことも可能です。
離乳食や子ども向けの調理
子どもや離乳食に使う際は味の刺激を和らげるためにアク抜きをすることも多いです。下茹でや水にさらすことで食べやすくなるほか、柔らかさを出すことができます。
小松菜の正しいアク抜きの方法
小松菜のアク抜きをする際のポイントや手順をご紹介します。
下茹でによるアク抜きの手順
1. 小松菜の根元に十字の切れ目を入れ、流水で土ほこりを丁寧に洗い流します。
2. 沸騰したお湯にひとつまみの塩を入れ、根元から順に小松菜を入れて茹でます。葉先まで入れ、1~2分程度で充分です。
3. 茹で上がったらざるにあげ、冷水にさらして食感を引き締めます。
水にさらすだけの簡単アク抜き
アクの大部分は水溶性のため、切った小松菜を水に3分ほどさらすだけでも充分アク抜きになります。切り口を増やして水に触れる面積を大きくすることがポイントです。
カルシウムと一緒に摂るとアクの影響を減らせる
シュウ酸はカルシウムと結合して便として排泄されやすくなる特性があります。そのため、小松菜を食べる際に乳製品や小魚などカルシウムが豊富な食材と一緒に摂ることで、体内吸収されるシュウ酸の量を減らすことが可能です。
逆に、カルシウム不足が続くとシュウ酸が血中に吸収されやすくなり、尿管結石のリスクを高めることもあるためバランスの良い食事を心がけましょう。
小松菜は生で食べても栄養豊富!アク抜き無しのメリット
小松菜は他の多くの葉物野菜と比べてもアクが少ないため、新鮮なものはそのまま生で食べることも問題ありません。サラダやスムージーに使うことでビタミンやミネラルを効率よく摂取できます。
例えば、キャベツやレタスと同様にシュウ酸含有量が少ないため、加熱による栄養損失を防げることも魅力の一つです。アク抜きの必要が無い分、味わいや食感を損なわずに美味しくいただけます。
まとめ:小松菜のアク抜きは基本不要だが、使い分けが大切
・小松菜はほうれん草と比べてアク(シュウ酸)が非常に少なく、基本的にアク抜きは必要ありません。
・季節や用途によっては下茹でや水にさらすなど軽いアク抜きが効果的。特に離乳食など子ども向けにはおすすめです。
・カルシウムを含む食材と組み合わせることで、体内でのシュウ酸の影響を抑えやすくなります。
・新鮮な小松菜は生食も可能で、加熱による栄養損失を防げるメリットがあります。
日常の調理ではそのまま加熱して使い、えぐみが気になる時はさっと水にさらすなど、用途や好みに合わせて使い分けるのが賢いやり方です。栄養豊富でクセも少ない小松菜を、よりおいしく、健康的に楽しんでください。

