美容師の店長になると、どれくらいの年収が期待できるのでしょうか？
また、地域やサロンの規模によって年収にどのような違いがあるのか、そして年収をアップさせるための具体的な方法についても詳しく解説していきます。
この記事では、美容師店長の年収相場や地域差、年収を上げるための戦略について詳しく見ていきましょう。
美容師店長の年収相場
美容師の店長の年収相場は約350～450万円と言われています。月収にすると約30～40万円前後となります。もちろん、これはあくまで平均的な数字であり、店舗があるエリアやサロンの規模、給与形態によって変動します。
美容師の店長になるのは30代からが多く、お客様への施術や接客だけでなく、スタッフや売上の管理など仕事が増えます。これに伴い、必要なスキルも多岐にわたります。お客様だけでなくスタッフとの円滑なコミュニケーション力、サロン全体を素早く的確に見れる洞察力、行動力や判断力、売上を上げるための戦略力などが求められます。
美容師の役職ごとの年収
美容師の年収は主に役職（ランク）ごとに異なります。以下は一般的な役職ごとの年収相場です。
アシスタント
年収: 約150～180万円
月収: 約12.5～15万円
アシスタントのうちは歩合や指名料の恩恵を十分に受けることは難しいかもしれません。技術や知識を身につける期間でもあり、講習費や練習用ウィッグ代、仕事道具代など出費がかさむ時期です。
ジュニアスタイリスト
年収: 約180～200万円
月収: 約15～16.6万円
ジュニアスタイリストやスタイリストになるためには、休日にモデルハントをして撮影などをする必要があるサロンもあります。モデルさんの衣装代やコンセプトに合うコスメや小道具なども自腹であることが多いです。
スタイリスト
年収: 約250～300万円
月収: 約20～25万円
スタイリストは自分の指名客を獲得することで収入を増やすことができます。ただし、指名を多く取るためには技術だけでなく、強力なコミュニケーション能力も必要です。
チーフ
年収: 約300～350万円
月収: 約25～29万円
チーフはスタイリストの中でもリーダー的な役割を果たし、技術指導やサロンの運営にも関わります。役職が上がると信頼度も増し、それが収入にも反映されます。
店長
年収: 約350～450万円
月収: 約30～40万円
店長はサロン全体の管理を任されることが多く、施術だけでなく売上管理やスタッフの育成など多岐に渡る業務を担当します。
地域による年収差
美容師の年収は地域によっても差があります。都心部のほうが年収は高くなる傾向があります。例えば、都心部では年収が約360万円で、店長クラスになると約500万円前後になることもあります。一方、その他の地域の年収平均は約307万円となっており、都心部と比べると50万円以上の差があります。
この差が生じる理由の一つには、都心部の物価の高さがあります。都心部では美容室のメニュー価格も高く設定されることが多く、客単価も上がります。そのため、収入も高くなるのです。
しかし、都心部で働くことが必ずしも得策であるとは限りません。物価が高いため、家賃や生活費も高くなります。収入額は地方よりも多いですが、その分出ていく額も多くなるのです。
POINT
地方よりも都心部のほうが、講習会やセミナーなどの種類や機会が豊富です。最新の技術や美容知識を学ぶ環境として都心は最適ですが、学ぶにはお金が必要だということを忘れてはいけません。
美容師として年収を上げる方法とは？
新しい技術習得への意欲
「地方の美容室だから最低限の技術で大丈夫」と思っている美容師の方もいるでしょう。しかし、新しい技術を習得する意欲がある美容師は、同じオーダーでもお客様に新しい提案をすることができます。例えば、「今こういった髪型が流行っていて、お客様に似合うと思うので少し取り入れてみませんか」といった提案をすることで、お客様の満足度を上げることができます。
お客様が満足してくだされば、信頼関係はぐっと深まり、口コミで自然とお客様が増えることでしょう。むしろ地方こそ新しい技術を身につけることが、お客様の満足度を上げることに繋がりやすいとも言えます。
指名客を多く獲得する
指名客が多いことは、収入を上げるための重要な要素です。新しい技術を習得し、お客様ひとりひとりの満足度を上げ、信頼関係を築き上げることが大切です。また、SNSなどを活用して情報発信を行い、自分のファンを増やすことも効果的です。
お店のファンを作ることも大切ですが、あなた自身のファンを作ることが指名客を増やしていくために必要です。スキルとコミュニケーションで信頼を得ていくことが重要です。
上の役職を目指す
現在の役職よりも上になることを目標にしましょう。多くの美容室では役職が上がると給与も上がります。特にアシスタントはスタイリストにならないことには、大幅な給与アップは見込めないため、いち早くアシスタントから上へ上がれるように努力しましょう。
役職が上がると、お客様からの信頼度も変わります。リピーターのお客様だけでなく、新規のお客様からも役職を見て指名してもらえる可能性が上がります。
制度でサロンを選ぶ
働いている美容室に昇給制度がなければ、いくら頑張っても収入が上がることはありません。固定給だけでなく、役職が上がるごとに手当が増えたり、指名料やメニュー・店販売上などによって歩合で給与が増える美容室で働きましょう。
そのほか、福利厚生が充実しているか、有給は取れるのかなども重要です。働こうと思っている、もしくは現在働いている美容室の制度は自分に合っているのか、今一度見直してみましょう。
独立する
雇われるのではなく、独立して自分で美容室を構える方法もあります。うまく行けば年収1000万円以上も夢ではありません。しかし、独立すれば必ずしも年収が上がるわけではありません。技術だけでなく、集客力や戦略力、ブランディング力などさまざまなスキルが必要になります。
そのほか、雇われのときには必要のなかった業務が多々発生します。独立は夢がありますがその分リスクが大きいため、しっかり経験を積んだり下準備をしたりする必要があります。
講師をする
SNSなどを活用して全国から美容師の生徒を募り、講習会やセミナーを開く方法もあります。無名だと集客に不安があるため、あらかじめSNSでファンを増やしたりなど下準備をする必要があります。また、美容師を相手に教えられるだけの技術を何かしら習得していることが大前提となるため、誰にでもできるとは言い難いのが難点です。
しかし、働いている美容室の中だけにとどまらず、外部に情報発信をすることは大きな成長へとつながることでしょう。
まとめ
美容師の店長の年収や地域ごとの年収差、年収を上げるための方法について解説しました。都心部での高収入を狙うこともできますが、出費も多いため、働く地域よりも自身の努力が年収アップの鍵となります。
新しい技術を習得し、お客様の満足度を上げることで指名客を増やし、役職を上げることを目指しましょう。また、制度が整ったサロンを選び、独立や講師としての活動も視野に入れることで、さらなる成長と収入アップが期待できます。