“近年、インターネットの普及に伴い、実店舗を持たずオンライン上で銀行業務を提供する「ネット銀行」の利用者が急増しています。メガバンクと比較して手数料が安く、預金金利が高いなど多くのメリットがあり、スマートフォン一つで手軽に利用できることから、多くの方が複数のネット銀行口座を使い分けています。
本記事では、2025年最新の情報をもとに、利用目的別におすすめのネット銀行をランキング形式でご紹介します。
ネット銀行とは?従来の銀行との違い
ネット銀行とは、実店舗をほとんど持たず、インターネット上で取引が完結できる銀行のことです。ネットバンクやオンライン銀行とも呼ばれています。従来の銀行と比較すると、以下のような特徴があります。
ネット銀行の主な特徴
店舗運営コストの削減: 実店舗をほとんど持たないため、店舗維持費や人件費などのコストを抑えられる
24時間365日サービス提供: システムメンテナンス時間を除き、いつでも取引可能
スマホで完結: 口座開設から入出金、振込まですべての操作がスマホで完結
高金利と低手数料: コスト削減分を預金金利の引き上げや手数料の引き下げに還元
従来の銀行との違い
項目ネット銀行従来の銀行(メガバンクなど)実店舗ほぼなし多数あり営業時間24時間365日(メンテナンス時除く)平日9:00〜15:00が中心普通預金金利0.1%〜0.2%程度0.001%程度振込手数料無料回数あり・安価比較的高めATM手数料無料回数あり・安価比較的高め対面相談基本的になし(電話・チャットサポート)店舗で対応可能
ネット銀行選びのポイント
ネット銀行はそれぞれに特色があり、自分のライフスタイルや利用目的に合わせて選ぶことが重要です。以下のポイントを参考にしながら、自分に最適なネット銀行を見つけましょう。
1. 手数料の安さをチェック
ネット銀行を選ぶ際の重要なポイントの一つが、ATM出金手数料と他行宛振込手数料です。多くのネット銀行では、条件に応じて月に数回〜数十回無料になるサービスを提供しています。自分の利用頻度に合わせて、手数料無料回数が多いネット銀行を選ぶと良いでしょう。
2. 預金金利の高さを比較
ネット銀行は従来の銀行と比べて普通預金金利が高いことが特徴です。さらに、多くのネット銀行では残高や取引条件に応じて金利が上がる「ステージ制」を導入しています。貯蓄目的で利用する場合は、金利の高さを重視して選びましょう。
3. 提携ATMの多さと利便性
実店舗を持たないネット銀行では、提携ATMを利用して入出金を行います。コンビニATMやメガバンクATMとの提携状況をチェックし、自分の生活圏内で便利に利用できるかを確認しましょう。
4. アプリの使いやすさ
ネット銀行ではスマートフォンアプリを使って操作することが多いため、UIの使いやすさや機能性も重要なポイントです。直感的に操作できるデザインや、セキュリティ対策が充実しているかも確認しましょう。
5. 特典やサービス内容
ポイント付与や他サービスとの連携など、銀行ごとに特徴的なサービスを提供しています。楽天銀行なら楽天ポイント、auじぶん銀行ならPontaポイントなど、日常的に利用しているポイントサービスとの連携があると便利です。
2025年最新!おすすめネット銀行ランキングTOP5
ここからは、2025年最新のデータをもとに、総合的なサービス内容や利用者の満足度から選んだ、おすすめのネット銀行をランキング形式でご紹介します。
1位:楽天銀行 – 楽天経済圏で圧倒的な強み
おすすめポイント
楽天証券との連携「マネーブリッジ」で普通預金金利が0.10%→0.28%にアップ
楽天カードの引き落とし口座に設定することでSPU(スーパーポイントアッププログラム)が+1倍
給与受取や口座振替など様々な取引で楽天ポイントが貯まる
全国約10万台のATMと提携し、利用しやすい
手数料
ATM出金手数料:月最大7回まで無料(スーパーVIPの場合)
他行宛振込手数料:月最大3回まで無料(スーパーVIP、VIPの場合)
向いている人
楽天市場や楽天証券などの楽天サービスをよく利用する方
楽天ポイントを効率的に貯めたい方
総合的なサービスの使いやすさを重視する方
楽天銀行は、1,600万口座を突破した日本最大級のネット銀行です。特に楽天経済圏内のサービスを利用している方にとっては、ポイント還元や金利優遇など様々なメリットがあります。また、セキュリティ面でも「取引通知メール」「ワンタイム認証」「セキュリティカード認証」「合言葉認証」などの対策が充実しており、安心して利用できます。
2位:住信SBIネット銀行 – 使い勝手の良さとSBI証券との連携が魅力
おすすめポイント
SBI証券と連携する「SBIハイブリッド預金」で普通預金金利が0.10%→0.11%にアップ
スマートプログラムのランクに応じて手数料無料回数が最大月20回
キャッシュカードなしでもアプリでATM取引が可能
米ドルは6銭で交換可能など外貨取引も充実
手数料
ATM出金手数料:ランクに応じて最大月20回まで無料
他行宛振込手数料:ランクに応じて最大月20回まで無料
向いている人
SBI証券を利用して投資している方
ATMや振込の利用頻度が高い方
スマホ操作に慣れている方
住信SBIネット銀行は、SBIホールディングスと三井住友信託銀行が共同出資して設立されたネット銀行です。2023年3月には、ネット銀行として初めて東京証券取引所に上場しました。特に「スマートプログラム」という独自の優遇制度が充実しており、利用状況に応じてランクアップすることで、手数料無料回数が増えるなどのメリットがあります。
3位:UI銀行 – 高金利と使いやすさが魅力の新興ネット銀行
おすすめポイント
普通預金金利が0.2%と業界トップクラスの高金利(条件なし)
1年もの円定期預金金利が1.05%と高水準
きらぼし銀行と連携すると優遇サービスが受けられる
スマホアプリから最短翌営業日で口座開設可能
手数料
ATM出金手数料:月3回まで無料(UIプラスステージにより最大月20回)
他行宛振込手数料:月5回まで無料(UIプラスステージにより最大月20回)
向いている人
高い預金金利を重視する方
シンプルで使いやすいネット銀行を求める方
東京きらぼしフィナンシャルグループのサービスを利用している方
UI銀行は、2022年1月に東京きらぼしフィナンシャルグループが開業した比較的新しいネット銀行です。普通預金金利が0.2%と高く、条件なしで誰でも利用できる点が魅力です。また、「UIプラス」というステージ制度を導入しており、月間平均残高やきらぼし銀行の口座保有などの条件に応じて、ATM出金手数料や振込手数料の無料回数が増えるサービスを提供しています。
4位:SBI新生銀行 – 高金利定期預金と充実したATM網
おすすめポイント
「スタートアップ円定期預金」などの高金利商品が魅力
シルバーステージ以上でATM出金手数料が無料
全国のセブン銀行ATMで入出金可能
SBIグループの様々なサービスと連携
手数料
ATM出金手数料:シルバーステージ以上で無料
他行宛振込手数料:ステージに応じて最大月10回まで無料
向いている人
定期預金で資産運用したい方
ATMをよく利用する方
SBIグループのサービスを利用している方
SBI新生銀行は、SBIホールディングスが買収した旧新生銀行で、2022年より現在の名称になりました。特に定期預金商品に強みがあり、「スタートアップ円定期預金」などの高金利商品を提供しています。また、独自のステージ制度「新生ステップアッププログラム」を導入しており、取引状況に応じて様々な優遇を受けることができます。
5位:auじぶん銀行 – au経済圏との連携が強み
おすすめポイント
じぶんプラスの優遇ステージに応じて預金金利が最大0.2%に
振込・ATMの無料回数が多く、無料回数終了後も手数料が安い
au PAYやPontaポイントとの連携が充実
外貨預金や住宅ローンなど金融商品も充実
手数料
ATM出金手数料:月最大8回まで無料(ゴールドステージの場合)
他行宛振込手数料:月最大10回まで無料(ゴールドステージの場合)
向いている人
auユーザーやau PAYをよく利用する方
振込やATM利用が多い方
Pontaポイントを貯めたい方
auじぶん銀行は、KDDI(au)と三菱UFJ銀行が共同出資するネット銀行です。「じぶんプラス」というステージ制度があり、口座残高や取引内容に応じて優遇が受けられます。特に振込手数料の無料回数が多く、月10回まで無料になるのが大きな特徴です。また、au PAYやPontaポイントとの連携も強みで、au経済圏を利用している方に特におすすめです。
目的別おすすめネット銀行
ここからは、利用目的別におすすめのネット銀行をご紹介します。自分の使い方に合ったネット銀行を選びましょう。
貯蓄目的なら:UI銀行・SBI新生銀行
貯蓄を目的とするなら、普通預金金利と定期預金金利の高さを重視しましょう。UI銀行は条件なしで普通預金金利0.2%という高金利が魅力です。また、SBI新生銀行は定期預金商品が充実しており、特に「スタートアップ円定期預金」などの高金利商品がおすすめです。
投資との連携なら:楽天銀行・住信SBIネット銀行
投資を行っている方は、証券会社との連携がスムーズなネット銀行がおすすめです。楽天銀行なら楽天証券との「マネーブリッジ」により、普通預金金利が0.28%にアップします。住信SBIネット銀行もSBI証券との「SBIハイブリッド預金」で金利優遇があり、口座間の資金移動もスムーズです。
振込やATM利用が多い方なら:auじぶん銀行・住信SBIネット銀行
振込やATMの利用が多い方は、手数料無料回数の多さを重視しましょう。auじぶん銀行は「じぶんプラス」のゴールドステージになると、他行宛振込手数料が月10回まで無料になります。住信SBIネット銀行も「スマートプログラム」のランク4になると、ATM出金手数料と振込手数料が最大月20回まで無料になるため、頻繁に振込やATMを利用する方におすすめです。
ポイント還元を重視するなら:楽天銀行・auじぶん銀行
日常的に利用しているポイントサービスとの連携があると、ポイントを効率的に貯めることができます。楽天銀行は楽天ポイントが貯まりやすく、auじぶん銀行はPontaポイントとの連携が強みです。特に楽天銀行は、楽天カードの引き落とし口座にすることでSPUが+1倍になるなど、楽天経済圏内での相乗効果が高いです。
ネット銀行のメリット・デメリット
ネット銀行には多くのメリットがありますが、一方でデメリットもあります。自分のライフスタイルに合わせて検討しましょう。
ネット銀行のメリット
1. 高い預金金利
ネット銀行は店舗運営コストを削減できるため、その分を預金金利に還元しています。メガバンクの普通預金金利が0.001%程度なのに対し、ネット銀行では0.1%〜0.2%程度と、100倍以上の開きがあります。
2. 低い手数料
振込手数料やATM出金手数料が安く、条件を満たせば無料になることも多いです。頻繁に振込やATMを利用する方は、大きなコスト削減になります。
3. 24時間365日いつでも利用可能
ネット銀行は基本的に24時間365日(メンテナンス時間を除く)サービスを提供しています。仕事で忙しい方や、夜間・休日に銀行取引を行いたい方に便利です。
4. スマホで完結する手軽さ
口座開設から各種取引まで、すべてスマホで完結するため、店舗に行く手間がなく、時間を有効に使えます。
5. ポイント還元や特典が充実
多くのネット銀行では、ポイント還元や特典サービスが充実しています。日常的な銀行取引でポイントが貯まるのは大きなメリットです。
ネット銀行のデメリット
1. 対面での相談ができない
実店舗がないため、複雑な相談や緊急時の対応は電話やチャットでのサポートになります。対面でのコミュニケーションを重視する方には不便に感じることもあるでしょう。
2. 一部の手続きには対応していない
社会保険料の口座振替や公共料金の引き落としなど、一部の手続きに対応していないネット銀行もあります。利用前に必要な手続きに対応しているか確認しましょう。
3. インターネット環境に依存
システム障害やネットワーク障害が発生した場合、サービスが利用できなくなる可能性があります。重要な取引を控えている場合は注意が必要です。
4. セキュリティ対策が必要
オンラインでの取引が中心となるため、不正アクセスやフィッシング詐欺などのリスクがあります。適切なセキュリティ対策を取ることが重要です。
5. 預金通帳がない
基本的に預金通帳は発行されず、取引履歴はオンライン上で確認します。紙の通帳で管理したい方には不向きです。
ネット銀行の安全性と対策
ネット銀行は便利である一方、セキュリティ面での不安を感じる方もいるでしょう。ここでは、ネット銀行のセキュリティ対策と、利用者ができる安全対策をご紹介します。
ネット銀行のセキュリティ対策
ネット銀行各社は、以下のようなセキュリティ対策を導入しています。
SSL暗号化通信: 個人情報やパスワードなどの重要な情報を暗号化して送受信
二段階認証: IDとパスワードに加え、ワンタイムパスワードや生体認証などで本人確認
取引限度額の設定: 1日あたりの振込限度額や引き出し限度額を設定可能
不正検知システム: 通常と異なる取引パターンを検知し、不正アクセスをブロック
取引通知メール: 取引が発生した際に即座にメールで通知
利用者ができる安全対策
利用者側でも以下のような対策を取ることで、より安全にネット銀行を利用できます。
強固なパスワードを設定: 英数字・記号を組み合わせた推測されにくいパスワードを使用
定期的なパスワード変更: 3ヶ月に1回程度、定期的にパスワードを変更
公共Wi-Fiでの利用を避ける: セキュリティ上のリスクがある公共Wi-Fiでの利用は避ける
最新のセキュリティソフトを導入: スマホやPCにセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に更新
不審なメールやSMSに注意: 銀行を装ったフィッシングメールやSMSに騙されないよう注意
ネット銀行口座の開設方法
ネット銀行の口座開設は、スマホやパソコンから簡単に行えます。一般的な流れは以下の通りです。
口座開設の一般的な流れ
申し込み: 各銀行の公式サイトやアプリから申し込みフォームに必要事項を入力
本人確認: 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)をスマホで撮影してアップロード
審査: 銀行側で申込内容の確認と審査を実施
口座開設完了通知: メールやアプリで口座開設完了の通知を受領
カード受け取り: キャッシュカードが郵送で届く(一部の銀行ではデジタルカードのみの場合も)
必要な書類
口座開設には主に以下の書類が必要です。
本人確認書類: 運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど
マイナンバー確認書類: マイナンバーカード、通知カード+本人確認書類など
メールアドレス: 連絡用のメールアドレス
スマートフォン: 本人確認や取引に使用
開設にかかる時間
ネット銀行によって異なりますが、最短即日〜1週間程度で口座開設が完了します。UI銀行やみんなの銀行などは、最短翌営業日での口座開設に対応しています。
まとめ
ネット銀行は従来の銀行と比べて、高金利・低手数料・24時間利用可能といった多くのメリットがあります。しかし、各銀行によって特色が異なるため、自分のライフスタイルや利用目的に合わせて選ぶことが大切です。
- 貯蓄重視なら金利の高いUI銀行やSBI新生銀行
- 投資連携を重視するなら楽天銀行や住信SBIネット銀行
- 手数料の安さを重視するならauじぶん銀行や住信SBIネット銀行
- ポイント還元を重視するなら楽天銀行やauじぶん銀行
2025年現在、ネット銀行はさらに機能を充実させ、従来の銀行からの乗り換えも進んでいます。この記事を参考に、自分に最適なネット銀行を見つけて、より便利でお得な金融生活を始めましょう。