お客様からの予約を断る際には、丁寧な対応が求められます。特に、「予約が埋まっています」といった表現をどのように言い換えるかは、お客様に与える印象を大きく左右します。
本記事では、お客様への丁寧な断り方について、具体的な言い換え表現や心遣いのポイントを詳しく解説します。
感謝の気持ちを伝える
お客様の予約を断るときは、まず感謝の気持ちを伝えましょう。忙しい中をわざわざ予約申し込みをしてくれたお客様はありがたい存在。お店にとって非常に大切な方です。
そこで感謝の気持ちを伝えることで、大切な相手への思いやりを表現します。電話で断るときもメールで断るときも、ここは押さえておくべきポイントです。例えば、「ご予約ありがとうございます」「お申込みいただき、誠にありがとうございます」といった言葉を最初に伝えると良いでしょう。
理由や状況を伝える
感謝の気持ちを伝えた後はいよいよ断る番ですが、ただ「予約を受けられない」では相手も納得しません。予約を受け付けられない理由や状況を説明しましょう。例えば、次のようなことです。
・予約がいっぱいである
・スタッフが急病になった
・急に休業することになった
・お店の都合が悪くなった
やむを得ない理由でお客様の予約申し込みをお断りすることを丁寧に説明してください。
冗長な表現や曖昧な表現は避ける
お客様の予約申し込みを断る場合は、冗長な表現や曖昧な表現は避けるようにしましょう。
お断りするというのはお店側にとっても気が重いことです。ついつい言い訳をくどくど述べたり、理由を曖昧にしたりしたくもなるでしょうが、そのような返答はお客様にかえって失礼。
わかりやすく端的に断ることが大事です。いいにくいことであっても言葉を濁さずだらだらさせず、はっきりと断りましょう。きつい表現にならなければ、お客様が気を悪くすることもありません。
クッション言葉を使う
いざお客様の予約申し込みを断るときが来たら、クッション言葉を使ってみましょう。
クッション言葉とは、一言で言うと前置き。そのまま伝えるときつい感じになったり、不快感を与えたりする恐れのある表現を和らげるために使います。代表的なクッション言葉に次のようなものがあります。
・申し訳ありませんが
・あいにくですが
・せっかくですが
・ご意向に沿えず
・誠に残念ですが
・心苦しいのですが
一つ例文を示しておきましょう。
「誠に申し訳ありませんが、○月○日○○時は予約がいっぱいで、お断りせざるを得ない状況です」
予約がいっぱいで断るという言い方をする前に、クッション言葉の「誠に申し訳ありませんが」を挿入している例文です。これで断り表現が和らぎました。
代替案を伝える
ただ予約を断るというだけでは、十分ではありません。お客様が利用できる代替案を提案してみましょう。
「○月○日○○時に都合が悪ければ、翌日の○○時はいかがでしょうか」としてみてもいいですね。その日時にお客様の時間が空いていなければ、別の提案もしてみます。
あるいは、「○月○日○○時は予約がいっぱいではございますが、別の日時なら空いております。お客様の都合がよい日時とお店の都合を調整しますので、希望日時をおっしゃっていただけますか」という提案もできます。
ただお客様の予約を断るだけだと、次の予約を取ってくれず、ほかのお店に行ってしまうこともあるでしょう。そのようなことを避けるために、予約の代替案を伝えることが大事です。
次回予約時にクーポンなどを付けてみる
せっかく予約申し込みをしてもお店に断られるのはお客様にとってもうれしいことではありません。そんなお客様の気持ちを察して、次回の予約用にクーポンなどを付けてみてはいかがでしょうか。
お客様に迷惑をかけた代償としてのクーポンです。わずかでも特典をもらえれば、お客様の機嫌も持ち直すでしょう。次回以降もこのお店を利用しようという気持ちにもなってくれるはずです。
強い表現や否定形は柔らかい表現に
お客様の予約申し込みを断るときに、強い表現や否定形は柔らかい表現に変えてみましょう。例えば、「お断りします」「予約を受けられません」などとはいわない方がいいです。次のように言い換えてみましょう。
お断りします→予約を承ることができない状況です
予約を受けられません→予約をお受けすることができません
ちょっとした表現の違いですが、お客様が受ける印象がかなり変わります。予約をお断りするのはお客様に迷惑をかけることなので、使う表現については気を遣いたいところです。
「予約が埋まっている」の言い換え表現
お客様の予約申し込みを断るときによく使われる「予約が埋まっています」という表現。このままでもいいような気もしますが、もう少し敬語を交えてみたい、丁寧な言い方にしたいと思う方もいるようです。
そこでここからは、「予約が埋まっている」の言い換え表現をいくつか紹介します。
その時間は予約が入っております
「予約が埋まっています」の言い換え表現第一は、「その時間は予約が入っております」です。似たような表現ですが、少しだけソフトな感じになっています。
ここにクッション言葉を差し挟んで、「あいにくですが、その時間は予約が入っておりまして、承ることができません。別の日時が空いておりますので、希望日をおっしゃっていただければ、調整いたします」とすれば、お客様に失礼になることもないでしょう。
他のお客様からの評価を伝える
予約が埋まっていることを伝える際に、他のお客様からの評価や人気具合を伝えるのも一つの方法です。「大変人気がありまして」「多くの方にご予約をいただいております」といった表現を使うことで、予約が取りにくい理由が理解しやすくなります。お客様も、「それだけ人気があるなら仕方ない」と納得しやすくなるでしょう。
例文
「誠に申し訳ございませんが、現在多くのお客様からご予約をいただいておりまして、○月○日○○時の予約は承ることが難しい状況です。別の日時で調整させていただければと思います。」
予約キャンセル待ちを提案する
予約が埋まっている場合、キャンセル待ちを提案するのも良い方法です。キャンセルが出た際には予約を優先的に案内することを伝えることで、お客様に少しでも希望を持ってもらうことができます。
例文
「現状、○月○日○○時の予約は満席となっておりますが、キャンセル待ちリストにお名前をお載せしてもよろしいでしょうか?キャンセルが出ましたら、優先的にご連絡させていただきます。」
将来の予約優先案内を伝える
次回の予約に関して優先的に案内することを提案するのも有効です。例えば、特別な日やイベントの際に優先的に案内することで、お客様の満足度を高めることができます。
例文
「今回は誠に申し訳ありませんが、次回の予約時には優先的にご案内させていただきますので、ご希望の日時をお知らせいただけますでしょうか。」
特別サービスや特典を提供する
お客様の気持ちを和らげるために、次回の利用時に特別サービスや特典を提供することを提案します。これにより、お客様は次回の利用を楽しみにすることができます。
例文
「今回は予約をお取りできず大変申し訳ございません。次回のご予約時には、特別に○○サービスを提供させていただきますので、ぜひご利用ください。」
お客様の要望を聞く
お客様の要望や希望をしっかりと聞くことも重要です。お客様の希望に応じた対応をすることで、信頼関係を築くことができます。
例文
「誠に申し訳ございませんが、○月○日○○時の予約は満席となっております。お客様のご希望に沿えるよう、他の日時やサービスについてもご相談させていただければと思います。」
まとめ
お客様の予約を断る際には、感謝の気持ちを伝え、理由や状況を明確に説明することが大切です。クッション言葉を使用し、代替案や特典を提案することでお客様の満足度を高めることができます。
さらに、他のお客様からの評価やキャンセル待ちの提案、次回の優先案内なども効果的です。お客様の要望をしっかりと聞き、丁寧な対応を心掛けることで、信頼関係を築くことができるでしょう。