子育てが終わると、新しい人生のステージが始まります。これまで時間とエネルギーを注いできた子育てが終了し、再び自分たちの時間を取り戻すことができるようになります。
多くの夫婦にとって、この新しいステージは喜びと期待を伴う一方で、不安や戸惑いも感じることがあるでしょう。
本稿では、子育て終了後の第二の人生を楽しむための具体的な指針について考えてみます。
子育て終了後の親の役割
子育てがいつ終わるのか、そのタイミングは家庭によって異なります。一般的には、子どもが成人し、自立した生活を始めたときがひとつの節目とされています。成人年齢が18歳に引き下げられた現在でも、お酒を飲んだりタバコを吸ったりできるのは20歳からです。この20歳という年齢は、身も心も大人になり、自己責任で行動することができる節目といえるでしょう。
親の子離れが大切
子育て終了後の親の役割は、子どもが自立した生活を送ることを見守り、必要なときにサポートすることです。20歳を迎えた子どもには、自己責任で行動する力を身につけさせることが大切です。親があれこれ口を出さず、見守る姿勢を持つことが求められます。
人生の先輩として
子どもが成人しても、親としての役割が完全に終わるわけではありません。20歳を迎えた子どもにとって、親は人生の先輩としての存在です。大人としての生き方を背中で示し、将来どのような老後を過ごしたいのか、ヒントを出してあげることが大切です。
子育て終了後の夫婦の関係
子育てが終わると、夫婦としての関係にも変化が訪れます。これまで子育てに忙殺されていた時間がなくなり、新たな時間の使い方が求められるようになります。ここでは、子育て終了後の夫婦の関係をどのように築いていけばよいのかについて考えてみましょう。
女性が大切にしたいのは“自分の時間”
博報堂の調査によると、40~60代の子育て終了世帯のうち4割ほどの女性が「これからは自分の時間を楽しみたい」と考えています。育児や家事に多くの時間を費やしてきた女性にとって、子育て終了後は自分自身の時間を取り戻す大切な機会です。これまでできなかったことにチャレンジする時間を持つことが重要です。
男性が大切にしたいのは「夫婦の時間」
一方、同じ調査によると、男性の34%が「子育て終了後は夫婦の時間を大切にしたい」と考えています。仕事に多くの時間を費やしてきた男性にとって、子育て終了後は妻との時間を取り戻す大切な機会です。夫婦としての絆を再確認し、新しい共通の趣味や活動を見つけることが大切です。
お互いの気持ちを理解し、尊重することが大切
子育て終了後の夫婦の関係を築くためには、お互いの気持ちや考え方を理解し、尊重することが重要です。自分のやりたいことを諦めるのではなく、互いに協力し合う姿勢を持つことが求められます。相手の話を遮らずに最後まで聞くこと、自分がどう解釈したか確認すること、そして遠慮せず自分の気持ちをきちんと伝えることが大切です。
ジェンダーに縛られた考え方を捨てよう
第二の人生を楽しむためには、ジェンダーに縛られた固定観念を捨てることが重要です。社会的・文化的につくられる性別に縛られず、個性のある一人の人間として互いを尊重することが大切です。
男性は、妻の“働きたい気持ち”を尊重しよう
特に男性は、妻の“働きたい気持ち”を尊重することが求められます。子育てや家事にかかりきりだった妻にとって、社会との接点を持つことは重要です。男性は、妻が働きたいという気持ちを理解し、協力する姿勢を持つことが大切です。
女性は、夫の“寂しい気持ち”を理解しよう
一方、女性は夫の“寂しい気持ち”を理解することが求められます。特に働きづめで家にいる時間が少なかった夫にとって、定年退職後の孤独感は大きなものです。夫婦の時間を大切にし、コミュニケーションの場を設けることが重要です。
子育て終了後に挑戦したいことを見つける
子育てが終わった後、時間とエネルギーをどのように使うかを考えることは重要です。これまでできなかったことに挑戦する絶好の機会です。
趣味を見つける
趣味は生活に彩りを添え、心の充実感をもたらしてくれます。絵画、音楽、スポーツ、ガーデニング、手芸など、自分が興味を持つことを見つけてみましょう。新しい趣味を通じて、新たな友人との出会いも期待できます。
ボランティア活動に参加する
地域社会や国際的なボランティア活動に参加することで、自分の経験やスキルを活かし、他者に貢献することができます。ボランティア活動は社会との繋がりを深め、人間関係の幅を広げる良い機会です。
学び直しや資格取得に挑戦する
第二の人生をより充実させるために、学び直しや新しい資格の取得を考えてみてください。オンライン講座や地域のカルチャーセンターなど、学びの機会は多岐にわたります。新しい知識やスキルを身につけることで、自分の可能性を広げることができます。
健康管理を重視する
健康であることは、第二の人生を楽しむ上で最も重要な要素の一つです。日常的な健康管理を意識し、心身ともに健やかに過ごすための工夫をしましょう。
定期的な運動を取り入れる
ウォーキングやジョギング、ヨガ、フィットネスなど、無理なく続けられる運動を取り入れましょう。運動は体力を維持するだけでなく、ストレスの軽減にも効果的です。
バランスの取れた食事を心がける
栄養バランスの取れた食事を心がけ、健康を維持しましょう。新鮮な野菜や果物、適度なタンパク質、良質な脂肪を摂取することで、体調を整えることができます。
定期的な健康チェックを受ける
定期的な健康診断を受け、早期発見・早期治療を心がけましょう。特に年齢を重ねるごとに、健康管理の重要性は増してきます。
夫婦でのコミュニケーションを深める
子育て終了後は、夫婦としての関係を再構築する重要な時期です。お互いの気持ちを理解し合い、良好なコミュニケーションを保つことが大切です。
定期的なデートを楽しむ
定期的にデートを楽しむことで、夫婦間の絆を深めましょう。映画鑑賞や外食、旅行など、二人で楽しむ時間を大切にしてください。
日常の小さな会話を大切にする
日々の些細な出来事や感じたことを共有することで、夫婦間のコミュニケーションを活発に保ちましょう。お互いの気持ちを理解し合うことが、関係を深める鍵となります。
共通の趣味や活動を見つける
共通の趣味や活動を通じて、夫婦一緒に楽しむ時間を増やしましょう。新しい趣味に一緒に挑戦することで、新たな発見や喜びを共有することができます。
経済的な準備を整える
第二の人生を楽しむためには、経済的な安定も重要です。将来の生活を見据えて、計画的に準備を進めましょう。
退職後の生活費を見直す
退職後の生活費を見直し、無理のない範囲での予算を立てましょう。収入と支出のバランスを考え、無駄を省く工夫をすることが大切です。
資産運用を考える
将来の生活に備えて、資産運用を考えてみましょう。専門家のアドバイスを受けながら、自分に合った投資方法を見つけることが大切です。
公的年金や保険の確認をする
公的年金や保険の内容を確認し、必要に応じて見直しを行いましょう。将来の生活に備えて、適切な保障を確保することが重要です。
まとめ
子育てが終わった後の第二の人生は、これまでとは異なる新しいステージです。夫婦としての関係を見直し、お互いの気持ちを尊重し合いながら、新しい挑戦や楽しみを見つけることが大切です。
健康管理を重視し、経済的な準備を整えながら、自分たちのペースで充実した時間を過ごしてください。第二の人生を豊かにするための具体的な指針を参考に、これからの生活を楽しんでいきましょう。